今年初の軽登山は,名郷から登り始める蕨山か,芦ケ久保から登り始める丸山か,と思っていたけど,前日の晩に地図を見ていて,棒ノ嶺(棒ノ折山)が目に留まった.
前回は名栗湖(有間ダム)から,白谷沢ルートで登り,頂上に着いてJetboilでお湯を沸かして,おそばを食べてコーヒーを淹れたら,疲れを感じて,それでもういいや,と満足してしまい,さっさと奥茶屋と百軒茶屋が並ぶ,大丹波川沿いに降りたが,この下りのきついこと,きついこと.青梅線の川井駅からバスで清東橋まで来て,それから歩き始めるルートは一番短いけど,登りがきついので,足腰に不安がある人にはお勧めできない.その日は,きまぐれにこのルートでふらっと降りたので,バスなぞ来るはずはなく,そのまま川井駅まで車道を歩いて,なおのこと疲れた.
今回は車で名栗湖に降ろしてもらった時点で,今日は高水三山に向かい澤乃井園がゴール,と決めていたので,ルートは自然と
- 名栗湖→白谷沢→棒ノ嶺→黒山→岩茸石山→惣岳山→御嶽駅→沢井駅
- 名栗湖→白谷沢→棒ノ嶺→黒山→岩茸石山→惣岳山→沢井駅
のどちらかにしぼられる.結論から先に.下図のようなルートを辿った.
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このルートからの棒ノ折へのアプローチは,白谷沢を抜けて林道沿いに見つかる東屋までは,まあまあ楽しい.東屋から一気に100mほど上がる斜面がきつい.その後は,権次入峠手前の階段と,棒ノ折頂上手前の階段が,心臓破り.これらの難関を超えれば,あとは楽.
風が吹きすさぶ頂上で寒々と昼食休憩をとってから,御嶽駅を目安に歩き始めたが,「御嶽駅まで8.0km」という標識はなめてはいけなかった.スタミナ不足の私が4.0km先の岩茸石山に着くのはそれから3時間後,沢井駅に着くのは5時間後のことだった.
日暮れ前に山を降りられたので,あとはポイントだけ.
- 冬山は雪が降らなくても寒さが厳しく,ジャケットはともかく,春夏秋にも使えるトレッキングパンツでは,薄すぎた.温度計を持ち歩こうと思ったし,パンツも厚手のものを新調しようと思った.
- 棒ノ折から御嶽駅までは8.0km以上あり,途中に岩茸石山と惣岳山がある.遅めの登山なら,名栗湖に降りた方がずっと早い.
- 棒ノ折山頂は寒かったが,この日は天気がよく,男体山が見えた.
- 黒山山頂はベンチが二つぐらいしかない.見晴らしは悪いが,風は周囲の樹木によって遮られてて,寒さは厳しくなかった.
- 岩茸石山山頂の見晴らしは,棒ノ折山頂よりも広く,ほぼ360度見渡せる.風が吹いていたので,棒ノ折側からの岩茸石山へのルートのうち,頂上直前の足場が弱そうな登りは怖かった.岩茸石山頂上へのアプローチは,高水山からのルートだけが緩やかで,惣岳山からのルートは急,棒ノ折からのルートは少し怖い.ここも,寒さは厳しかった.
- 同じく風が吹いていて,体力も消耗していたので,岩茸石山からの惣岳山頂上へのルートは登るのをやめた.この頂上へのアプローチは,御嶽駅からのルートは緩やかで,岩茸石山からのルートはトレッキングポールとグローブはあった方がいい.
- 惣岳山からは,小沢峠に降りるルート,御嶽駅に降りるルートの他に,小沢駅に降りるルートがある.澤乃井をつくる小澤酒造に立ち寄るなら,小沢駅を目指して損はない.このルートはとても緩やかな道で,少なくとも下りはかなり歩きやすい.車の音や電車の音が聞こえるようになったら,携帯電話も圏内になる.ただしこのルートを使う人はあまりいないのか,途中の草木はのびのびと育っており,落ち葉も積もっているので足下には少し注意し他方がいい.
- 澤乃井園は,そば・うどんのオーダーは0400p,おつまみのオーダーは0430p,直売所の販売は0500pまで.
6時間のつもりが,7時間半もかかった.
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白沢滝コースの入り口.
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白沢滝コースはこの沢沿いを歩くコース.
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中腹の東屋から,急に傾斜がきつくなる.
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100mほど登り終えると,あとは尾根伝い.
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権次入峠.下に名栗湖の入り口付近を見下ろせる.
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棒ノ嶺頂上の手前の最後の階段.これがかなりきつい.
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晴れていると,日光の山々まで見渡せる.うっすらと男体山が見えている.しかし寒い.
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あと9.0kmの標識.この時は3時過ぎに着くかな,と思ってた.
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黒山から岩茸石山へ向かう途中の見晴らしのよいところ.天気のよい日には,富士山の頭が覗いて見える.
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岩茸石山.見晴らしは棒ノ嶺よりもいい.左手奥に棒ノ嶺が見えてる.高水山はすぐ見えていて,惣岳山は少し遠い.
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ここを上がれば惣岳山頂上だが,風が強くて荷が重かったので,私はやめた.
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沢井駅と御嶽駅への分岐点.ここで沢井駅方面に向かったら,山を下りるまで,誰とも出会わなかった.
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沢井駅ルートの道の様子.木が倒れているのは,昨年夏の台風のせいか.
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この鉄塔の下は陽当たりがよく,少し休憩できる.
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ここまで降りてくるとほっとする.
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沢井駅からの高水三山へのルートの入口.ここに出てくる.
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電車が目の前を通り過ぎていったので,営業終了間近の澤乃井園へ.
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6時過ぎにはこんなに暗くなった.
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関八州見晴台へのルートを回避した時でも,今回の岩茸石山の北側の登山道でも,惣岳山の北側の登山道でも,山登りはメンタルが重要なスポーツだと,強く感じた.だめだと思ったら,行ける道も行けない.