例えば自分のウェブサイトが欲しいと思ったとする。
大昔は、サーバを確保して、ウェブサービスをインストールして、コンテンツをアップロードするところまで考えればよかった。その後の情報の追加や更新は自己責任で、費用が発生するのは初期投資だけ。これが大学や一部の企業がインターネットを使い始めた頃の話。
次に、ダイヤルアップが可能になったり、パソコン通信と繋がったり。
そうこうするうちに、Geocitiesなどの無料のウェブサーブスが多く現れた。そして自宅や多くの企業がインターネットに繋がるようになり、家でサーバとウェブサービスを運用できるようにもなった。
そしていつの頃からか、セキュリティが大事になった。1つのサービスを提供もしくは公開し続けると、セキュリティを脅かされるリスクはその時間分だけ高まっていく。バージョンが同じなら、誰かが潜在的な脅威を発見して顕在化させてくれる。その切り替えに気づかないと、実際にリスクが被害に変わる。
現在は、ウェブサイトを公開することを検討する際に、ここまでを防ぐ体制の確立までを検討する時代だ。最初に盗まれるものはアカウント情報だけかも知れないが、個人情報は点と点をつなげて線や面にするような感じに、繋がり始めると一気に流出の度合いが増していく。
コンテンツ、サービス、サーバ、利用回線の4階層それぞれに、著作権の保護と尊重、個人情報の流出防止、悪用防止の体制を確立しなければならない。コンテンツを公開したい人がこれらに責任を取れなければ、自身が責任を取らなくていいような商用サービスに頼るのも一案だ。
自分でソフトウェアを選択できる商用サービスが受けていた時期もある。でも今はポピュラーなCMSを提供してくれるサービスの方が、使い勝手はともかく、心配の範囲が狭まるので、安心だ。だから、ウェブサイトを公開したい向きがある場合は、まず他人に頼らず、利用可能なサービスを探すと良い。
近年はインターネットを通じた情報発信を始める際には、ここまで考えておくことをお勧めしたい。