出て行く理由など、人それぞれだろう。
満たされないから。仕事が単調でつまらない。こんな仕事、自分でなくてもいい。単調でつまらないことほど、必要とされていて、生活が安定することに思いが至らない。
日陰者扱いされているから。貢献しても、手柄は全て、上役が奪って行く。自分も日向を歩きたい。実は日陰の方が落ち着くかもしれないことに思いが至らない。
良い思い出がないから。人は、良くされたことよりも、低く扱われたり、軽んじられたことの方を覚えていることが多い。それでも、幾つかのことは、自分にはとても不利な決断をされた。
ビジョンが見えないから。現時点でもビジョンがないのに、将来にそれが生まれるかどうか、疑わしい。
自分の将来が描けないから。これは自業自得でもある。楽しく生きることに伴う人事の遅延は、予め想定しておくべきだろう。
誘われた場所が魅力的に見えたから。隣の芝生は青いと気付けば良いのだが、そうとは限らない。でも、有頂天になっていると気付かない。
他にもいろいろあるかも知れない。もう出て行きたい、ここには居たくない、と気持ちが一杯になっていることもあるだろう。
それでも、出て行く際にはもう一度、理由を考えると良い。出て行くとは、一からやり直すことに近い。築き上げたものを全て、捨てることに近い。それが得意な人はいいが、得意でない人は、たぶん行った先で困ることになる。
私は後者な気がする。