他人に助力を求めるということは、その人のエフォートを他に割かずにホールドしておいて貰い、こちらの依頼に振り分けてもらうことに等しい。その人が別の仕事を行って得るプロフィットよりも、何らかの基準に照らして価値のあることを提供できると約束するからこそ、そのような予約が可能になる。
逆にその人が私に対して、常にエフォートの一定割合をその人のためにキープしておいてくれていると考えているとしたら、それは誤解だ。私でさえ、自分のために稼がなければいけないポイントがあり、到達しなければならない業績目標がある。その人のためにそれらを長期に渡って、捨て置くことはできない。
だから距離のある関係の人のエフォートをホールドしたい場合には、確度と実際に提供して欲しいエフォートの量を明確にして交渉することになる。既に距離が近い人との交渉も、その人に損はさせないことが大前提となる。短期的に損をさせた場合には、長期的な得を提供できるように努めて、信用を稼がないといけない。
もちろん対価は短期的な利益に繋がるとは限らず、個々の案件には交渉の余地はある。それでも情報を丹念に収集して、信用は稼いでおかないといけない。情報収集も怠る人に対してどの程度のエフォートをホールドさせてあげるかは、その人がどれほど魅力があるかに依存して決まる。それはもう、主観による値付けしか存在しない世界だ。