乾湿の差と限度

人の対応には乾湿がある。

乾はドライと読んで、規則通りの対応を指して言う。規則を文字通りに読み、四角四面に対応することである。窓口の業務では、これを心掛けておかないと、判断に悩むシーンが増えることになる。

湿はウェットと読んで、柔軟な対応とも言う。規則には大抵、曖昧な部分が残されている。また複数の規則を組み合わせることで生まれる例外を知っていれば、それを適用するように対応するのも柔軟である。ある程度、規則体系を理解し、適用の経験を重ねてやっと、少し柔軟な対応ができるようになる。

柔軟でも規則を曲げている訳ではない。規則のない状況に対して、規則をどのように援用するかも、対応する人の器量、度量、裁量に依存するところが大きい。

そして、周囲や上司に報告した時に、理解と合意が得られることが、外的な判断基準である。仕事にこっそりはない。それがウェットな対応の限界である。幾らウェットに対応したくとも、法律や職務規定などのルールを曲げることはできない。