表彰状を貰ったことがある人がどれぐらいいるか分からない。私は、証書は貰うが、賞状は滅多に貰わない。ましてや表彰状である。貰ったことがないように思う。貰ったことがないので、どう作るのが格好が良いか、分からない。幸い、インターネット上には制作を請け負ったり、無料で製作するための情報が。それなりに蓄積されているので、それらを頼って調べてみた。
表彰状の作り方は大きく2つに分かれる。
- 業者さんを手配し、原稿を入稿して、制作をお願いする
- 必要な資材を調達して、原稿から版下を起こすなど、自分で制作する
業者さんにお願いする場合、出来上がり品を受け取るまでに、およそ次の6ステップがある。
- 作業期間を予約する(インターネットで注文を受け付けている業者さんたちはこのステップを省略する代わりに、納期が繁忙に多少左右去れる。企業が付き合いをする業者さんたちは、印刷が下請けになるので、下請けの工期確保のために、このステップが必須となる)
- 原稿と差し替えデータを入稿する
- 業者さんが原稿データを製作し、送付して下さるので、こちらで確認と校閲を行う
- 校閲したデータが印刷工程もしくは印刷業者に回る
- 出来上がり品が上がってきたら、発送してくれる
- 受け取る
最速の業者さんで、原稿データが上がってくるのが翌日になる。決して朝一番ではないので、その校閲を終えて返しても、印刷に回るのはまた翌日になる。印刷が完了して発送の準備に入るまでに、また少なくとも1日かかる。こうして、入稿日から発送日まで、もっとも短くてものべ4日間となる。受け取るのはまた、その翌日だ。そしてこれらの日数はすべて、平日でカウントしないといけない。週末に操業している業者さんは見つからなかった。
東北に一軒だけ、朝十時までに入稿すれば、こちらが校閲を迅速に対応するなら、当日中に発送してくれる業者さんがいる。ここの対応はミラクルだ。他の業者さんは軒並み、こんな速度では対応してくれない。金模様が入る表彰状の印刷は、どこでも急いでくれない。
その一方で料金だが、それほど高くない。本文や贈呈者が同じで、賞や受賞者の名前のみが差し替わる場合、一枚あたり1000円未満で製作してもらえる。納期が十分なら、絶対にお願いする方が安い。
自分で作る場合には、用意するものが沢山ある。
- レーザープリンタ
- レーザープリンタで印刷できる賞状用紙
- テンプレート
- フォント
まさか表彰状を印刷するためにレーザープリンタを買う人はいるまい。持っているから、自分で作ってみようかという気になる。
レーザープリンタでも印刷できる賞状用紙は、タカ印のものが実績がある。業者さんに注文した場合ほどには輝かないが、それでも枠が多少は輝く。
テンプレートはタカ印で検索すると、メーカーが提供してくれている印刷原稿用ファイルが見つかる。これをダウンロードして利用する。
フォントはかなり問題になる。比較的多くの人が利用可能なのは、Windows用のマイクロソフトオフィスにバンドルされているリコーが開発したHG正楷書体PROだろう。このフォントは表彰状の本文に使っても違和感がない。ただし、Mac用のオフィスにはバンドルされていない。
さて、制作を依頼することと自分で作ることを比較検討する。
期間については、賞状を授与する日の何日前に印刷に必要なデータが揃うか、が鍵となる。1週間以内なら、日頃から懇意にしている業者さんでなければ、或いは事前に相談して日程を了解して頂いていなければ、自作の方が安全である。
費用については、利用可能なレーザープリンタが身近にあるかどうか、複数の楷書体フォントを保有しているかどうか、で変わってくる。WindowsユーザがMicrosoft Officeを持っていれば、HG正楷書体PROが利用できる。MacユーザはFont BookというmacOSの標準アプリから、このリストにあるフォントをインストールできる。白州賞状フォント、白舟楷書と白舟太楷書、昭和楷書体と極太楷書体、あるいはモリサワフォントの楷書体などがあるともっと良いが、これらは購入しないといけない。
制作日数に影響を与えるのは、用紙の確保とフォントの確保である。タカ印の賞状用紙の必要枚数をいつまでに確保できるかは、制作日数に影響を与える。アクティベーションの手続きがあるフォントを購入する場合には、その日数も考慮する必要がある。これらは、平日で数えておく方が無難である。