指を動かせ、というインタフェース設計を少し見直して欲しい

フリック入力が速いと思っていたが、スクリーンが大きくなると指の移動距離が増えて遅くなる。小さい画面では気にならなかったが、大きくなるとどうしても気になってしまう。予測変換を用いても、適切な返還後の文字列を選択するのに、また移動距離が増える。

それよりはキーボードを繋いで、キー入力をした方が、速い。iOSの場合、文字列の変換候補が3つぐらい現れて、それらが異なると表示される4つ目以降のリストが、また一番目から始まるのが少し我慢がならない。GUIがどうしても指を動かして、一気に選択させるように設計されてしまっている。

マウスを使わずにカーソルを移動できるのが、タッチパネルのいいところだ。でもタッチパネルでは、どうしても選択もタッチでさせるようになってしま、キーボード入力との親和性がいまひとつ上がらない。

IOSでは、タッチパネルによる選択とキーボードによる文字入力という複合的なインタフェースで、漢字変換をもっと便利にできるような工夫はされないのだろうか。パソコンでも滅多に、マウスやタッチパッドには触らず、キーボードのみで何とかしている。手をほとんど動かさない。それに比べて、iPhoneを使うときの手や指の移動距離は少し多過ぎると思う。

軽微な運動であっても無理のある運動なら、数十年続けると、身体に支障を来たしかねない。人類は親指を使うことがあらゆる生物の中での特徴、と過日にNHKの番組で主張されていた。それにより物を掴むことができたのだと。そして親指は、掴む方向に力を入れる際には内側の筋肉がが働くが、跳ね上げる方向には、肩甲骨あたりの筋肉が働くとも。親指を使ったフリック操作は、親指にとっては、人類史上初の重労働らしい。そのためにスマホ入力だけでも、炎症が起きるのだそうだ。なるべく指を今までと同じ方向の動作で使うインタフェースにしてほしい。

脳涙入力が実用化されれば、指が酷使される時代も、指の速さを競う時代も、終わりそうだが、まだそれは数年以上は先のことのように思われる。予測入力、タッチ操作、フリック入力など、インタフェースの省力化と高速化は進んでいる。でも画面が大きくなることによる問題にも、早く気づいて欲しい。