マナーとモラル

マナーは行儀や作法のこと。モラルは倫理観や道徳観のこと。

モラルについてうるさく言う人が情報倫理について疎いと、バランスを欠いていると評するのが正しい。しかし当人にそれを教える必要はない。余計なお世話である。マナーがなってない人が、他人に自分への気遣いと尊重を求めるのも、バランスを欠いている。これも応じなければ特に問題ないが、応じないと当人に教えるのも余計なことだ。単に先送りしていれば良い。

モラルについての議論は相互理解が前提でないと難しい。他人にモラルを押し付ける人が、実は別のシーンではモラルを欠くことも少なくない。マナーについての議論も難しい。他人のマナーを欠く行いを指摘することはとても容易だが、同様に自分もマナーを欠いていることを指摘され易い。

それでも人は、自分にモラルがあることを証明できないまま、他人にモラルを説く。自分のマナーが完璧であることを証明できないまま、他人のマナー違反や心遣いの不備を指摘する。笑える話なら良いのだが、結構、笑えない話の方が多い気がする。それは多分、もともと気に入らない人のことだからかもしれない。

人間誰しも、拘っていることと軽んじていること、そして細かく感じることと粗くしか感じ取れないことがある。ムラがあるのが人間、となのだろうか。かく言う自分も、他人を指摘する癖があり、また他人から指摘される隙も多々ある。なるほど、これが人間か、と認めよう。

完璧な人間はいない。だから人間は、周りを許して、そして周りに許されて生きていくしかないのか。近い人の批判を書くつもりが、妙に変なところに辿り着いてしまった。