同居人(猫)が増えて、1ヶ月経った。住み始めてから1週間ぐらいはあちらが少々警戒気味な感じだった。こちらが家とよぶ檻に入れれば出たがるが、行動の範囲はほぼ一部屋のみに限定しておいた。人との接触も少し避けている感じで、夜も昼もあまり眠っていなかった。
猫が来た翌週に、とりあえず本を何冊か買って斜め読みしておいた。母から、猫は餌をあげる人間に懐くと聞いた。知り合いからもそう聞いたので、朝ごはんは私が担当することにした。何しろ、家に一番いないのは私なので、せっかく増えた同居人から無視されるのは避けたい。
1週間経つと、徐々に環境と他の同居人に慣れ始めた。お店では食事の時間は午前10時と午後6時の2回だったそうだ。朝ごはんは当初は8時だったのが、徐々に早まっていくことになった。
猫に買った家は3段+ハンモックの4階構成だ。うちに来た当初は、お店で馴染んでいたクッションで寝ていた。これは今でも1階に置いてある。住み始めてすぐに、柵に捕まってよじ登ることはできていて、上の階へは簡単に行けていた。ただし降りることができない。あまり高いところに慣れていなかったようだった。でも2週間目にはもう、檻の天井に物を置くとがしがしとよじ登り、3階に慣れた。2週間目が終わるころには、3階から2階、2階から1階の飛び降りができるようになった。たまには3階のドアを開けると、床に飛び降りるようにもなった。
3週間目には、檻の外をよじのぼって、天井にたどり着いた。とても自慢げな顔をしている一方で、1人では降りられなかった。それでも降ろそうとすると、怒る始末。3度ほど、無理やり降ろした。それまでにも廊下は解放していたのが、この頃から、リビングも解放し始めた。
マットも注文して、猫の通り道だけ、敷いた。フローリングなので、爪が立たず、走って逃げる時にうまく曲がれない。しゃーしゃー、爪で擦る音を立てるので、安定して走ってもらおうという配慮だ。これが少し裏目に出た。猫がうちに来た日にあげた、鳥のぬいぐるみを、手で弾きながら追いかける遊びをしていたのが、マットのせいで鳥が床を滑らなくなった。そのため、マットを敷く箇所を、猫の家の前と、走り回るルートのコーナーに限定した。それでも、猫にはぬいぐるみを口に咥えて持ち歩く癖が生まれてしまった。
4週間目になると、同居人同士の距離感がだいぶつかめて来た。人間同士が話していると、近寄ってくる。遊びたいと、ぬいぐるみを咥えて持って来て、人間の近くに置く。かくれんぼなのか、追いかけると逃げて、どこかに隠れようとするが、頭隠して尻尾隠さず。むしろ、視線が合わなければ、隠れていると勘違いしているほど。この子は、逃げたらきっと苦労する。
そんな4週間が過ぎて、今は朝は6時起き、朝食は6時から7時の間、朝食後に水やり、朝に少し遊び、という風に朝のスタートが決まった。毎日、6時には起きている。私も変わったものだ。